ラジオ配信「生産性ラジオ」が、シェアハウスでのリビングトークの雰囲気を、どのようにオンラインで再現できたのか
コラボレーションや交流のための仮想空間を提供するSpatialChatの使用目的として、仮想オフィスやオンライン授業、ウェビナー、オンラインイベントなどが主流を占めています。しかし、時にはSpatialChatのスタッフさえ考えもしなかった、プラットフォームの意外な使用事例に出会うことがあります。
今回のケーススタディでは、「生産性ラジオ」のジムさんとお会いし、日本各地にいるメンバーが、SpatialChatをなぜ、そしてどのようにラジオ収録に使用しているかについて伺いました。
はじまりは、東京都内のシェアハウスでのリビングトーク
「生産性ラジオ」のコアメンバーが出会ったのは、2014年、東京都浅草橋のコンセプト型シェアハウス「ブレッドボード」でした。シェアハウスのリビングスペースには、様々な趣味を持つ住人やゲストが集まり、色々な話題で盛り上がっていました。中でも、VRやプログラミングという共通の趣味を持つメンバーが中心となり、「IOT(Internet Of Things)」をテーマとした偶発的なトーク会が頻繁に行われるようになり、メンバーの日々の楽しみになっていました。
オフラインからオンラインへ
しかし、各メンバーの仕事や引っ越しを理由に、いつの日からかリビングで集まる機会が極端に少なくなっていきました。SNSやチャットなどを通じて連絡は取り合っていたものの、以前とは打って変わって、時々会える人同士で細々と集まる感じにりました。
リアルタイムで自由に会話ができ、話の途中で誰もが気軽に飛び込みで入ってこられるような、まさにシェアハウスでのリビングトークの雰囲気を踏襲し、最大限に再現できるプラットフォームが必要でした。
当時は、ちょうどいいミーティングアプリを模索し、試行錯誤を重ねました。知名度の高いZoomやグーグルミーツは、顔を見ながら話ができ、ドキュメントの共有が簡単でしたが、URLの発行と共有が手間でした。CLUBHOUSEは音質がよく、遅延も小さいのですが、アプリのダウンロードが必須でした。メリットがどんなに多いサービスでも、次第に大きな難関に直面しました。
住み慣れたシェアハウスの雰囲気を、SpatialChatの仮想空間で再現
そこで辿り着いたのが、SpatialChatでした。
「メンバーがいつでも好きなタイミングでリビングに集まる」この感覚を、固定URLのSpatialChatは叶えてくれました。ホストがいなくても、話したい時にSpatialChat上の仮想シェアハウスを覗いてみる。人がいたら話始めるし、人がいなくてもSNSやチャットで誰か来ないかと呼んでみる。
利用していくうちに「SpatialChatにいます」はいつの間にか「すぺちゃなう」の合言葉になり、オンラインでも集まることが増えていきました。
固定URL以外にも、SpatialChatを使い始めてから発見した便利な機能が色々ありました。
デザインがカスタマイズ可能なSpatialChatの「ブレッドボード」スペースには、使用目的の異なる3つのお部屋が作られています。懐かしいシェアハウスにちなんで名付けられたメインのブレイクアウトルームのお部屋「浅草橋」の背景には、本物のシェアハウスの写真が使われています。当初は「おふざけで」実装してみたのですが、これが案外気に入っていて愛着が湧いているとのこと。
ルーム内には「とある事情の離席中」という一角があり、そこにバブルを移動することで「そっとしておいてほしい」というサインを無言で示せるようになっています。SpatialChatの距離感のある音を上手に活かした工夫です。現在このルームでほとんど全ての交流が行われています。
2つ目のお部屋は、伝言板的に設置しているブレイクアウトルームで、メモを貼り付けたり、SpatialChatの使用マニュアル「How to Use?」を設置しています。
ちなみにこのマニュアルは、初めて収録に立ち会う人への参加のハードルはもっと下げられたらいいなと思い、自ら作成されたものです。グーグルドキュメントや画像、Youtube動画など、SpatialChatのオブジェクト埋め込み機能を活用することで、スペース内の空間を常により良く、ユーザーフレンドリーにするための方法を模索している感じがでていて、実に素敵です。